M.M.メーニッヒ製(ドイツ)
管体木管製、ニッケルキーメカニズム、カバードキー、C足部管
頭部管総銀製(三響フルート製)
ヨハネス・ハンミッヒ(#1188)を購入するにあたって、同じオーナーさんのコレクションから見せていただいた1本。
半木管のこちらの楽器、第一印象は、よくない。
吹いてみたものの、音はボヤーッとするし、キーメカニズムがニッケル製だからか、古い金属臭?が結構きつい。
もう一本リッタースハウゼンの半木管も吹かせていただいたが、そちらは良い。
ご厚意に甘えて、一度持ち帰り、色々なシーンで吹いてみたら、時々「おや?」と驚くほどよい音が出る。
暖かく、柔らかく、厚みもあって、それでいて、銀製頭部管の効果か輪郭もしっかりあって。
良いポイントにあたった時の音は、吹いている自分のテンションが上がるほどよい音。
気づけばリッタースハウゼンよりこちらばかり吹いている自分がいた。
色々試した結果、パッドの状態が悪いのが原因のよう。パッドを交換して、調整をばっちり仕上げれば、まだまだ使える
モノかもしれない。
前オーナーとの間をつないでくださっている、お世話になっている先生に聞いたところ、「リッタースハウゼン」はまだまだ使える価値のある良い楽器だけど、まさかのこっち??との反応。
自分でも、メーニッヒよりリッタースハウゼンの方が価値の高い楽器であることは重々承知。自分でも驚きのチョイス。
色々相談させていただき、前オーナーさんからのご厚意で「タダ同然」の価格で譲ってもらうことになった。
そんな経緯で、うちのファミリーの仲間入りをしたこの楽器。
実はオリジナルの頭部管ではない。
おそらくオリジナルは木管の頭部管。この楽器についているのは、この楽器のために前オーナーがサンキョウフルートの名匠、久蔵さんに特注して作ってもらった銀の頭部管。
リッププレートには「FT」の刻印が。サンキョウのフルートをご存知の方ならおわかりかと思うが、サンキョウの頭部管には何種類かあり、こちらは「フラットトップ(FT)」タイプのもの。
僕にとってはむしろ、オリジナルより、この久蔵さんがこの楽器のために特別に作ったこの頭部管の方が、価値あるものかも。
この楽器は入手後、イチかバチか、パッドをUPS(ウエサワ・パッディング・システム)に交換した。
西宮の植澤さんのところで、ご本人に交換・調整をしてもらったのだが、大成功。
ばっちり、本番でも使えるレベルの楽器に変身して帰ってきました。
これからどんな曲で使おうか、楽しみな一本。