Sankyo Handmade 24K Gold Flute with J.R.Lafin 22K Gold Headjoint
三響フルート製(日本)
24K金製(18K金製キー&メカニズム) ソルダード(ハンダ付け)トーンホール、H足部管 シリアルナンバー#83336
2024年よりファミリーに加わった三響フルート製のゴールドフルート。
24K金製で、キー・メカニズムは18K金製。
第一印象は「うわっ!?重たい!!」
とにかく重い楽器です。いつもお世話になっている楽器店スタッフに勧められるがまま試奏を。
吹いた感覚は今まで色々なゴールドフルートを吹いてきた中で味わったことのないもの。
息を入れたら入れただけ入る。すべてが音になる。
吹いても吹いても息が入るので、感覚としては息を吸い取られている感じ。その割にはバリバリ鳴っている感じが無い。
その時はそれまで。
後日また吹いてみる。ちょうどそのタイミングで、メイン楽器のトラブルで修理が必要になり、
今度はこの24Kを借りて実際にアンサンブルや、ソロの本番でも使用してみる。
初めに比べると重さは気にならない。
吹いていくうちにわかった事としては、息を吹き込んだら吹き込んだだけ入るけれど、吹き込まなくてもしっかり音として鳴ってくれる。つまり自分で吹き込まないようにしっかりコントロールして吹かないといけないということ。
この楽器一筋縄ではいかない。というところで返却。
しばらくこの楽器と再会することない日々。
ふと過去にやった公演の音源を聴く。その公演は東京・大阪2都市での公演だったのだけれど、
大阪公演と東京公演で別の楽器を使用していた。
2公演の録音を聴き比べて衝撃。
演奏中は大阪公演の方がしっかり楽器を鳴らせている感覚があったが、録音では24Kを使用した東京公演の方が断然鳴っている。
しかも録音を聞いていても音色が多彩で、響きも良い。
楽器店に問い合わせると、この楽器商談が入っていて、おそらく売れてしまうのでは?とのこと。
ところがしばらくたったある日、「結局商談が決まらずまた戻ってきました。」と連絡をいただき、再び借りる。
今度はフルートアンサンブルや木管アンサンブル、お客様との距離が近いサロンコンサートなど
色々な現場で試す。そして客席で聴いていてくれるお客様や、時には家族に感想を聞いた。
フルートという楽器は、自分自身に聴こえている音と、聴き手に聴こえている音では違いがあるが、
吹いている感じと自分の耳に聴こえている感じから、ある程度お客さまにはこう聴こえているだろう、
というイメージができていた。しかしこの楽器はそのイメージを超えてくる。
自分が思っている以上にお客様のところには響きもニュアンスの違いもしっかり届いている。
この感覚、まるで木管フルート。これまで金属のフルートにはなくて、木管フルートならではと感じていた良さを
かけ備えているようだ。
初めて手にしたときから、数ヶ月。
これだけ長い試用期間を経て購入に至った楽器は初めてだ。
この楽器を手にしていると、必ず価格の話を聞かれる。
昨今の金の価格高騰、物価の高騰でとんでもない値段になっている。
僕が初めてこの24Kという楽器を知った頃(学生時代なので20年前くらい?)は確か1000万はしなかったと思う。
それが2020年には1315万円。2024年の春には1707万円。2024年の12月には時価となったが、他のモデルが1.25倍から1.3倍、値上げなので、おそらく2200万円くらいの価格だろう。新品ではとても手が出ない。中古マンション買えます。。。
今回はUSEDで出てきたので、かなりラッキーだった。
この楽器の頭部管の裏には、このネームが彫ってある。
サンキョウフルート創始者で、日本が誇るフルート職人である久蔵さんのネーム。
フルートオタク仲間の話では、久蔵さんが自分のネームを掘っているものは見たことが無い、とのことだったので
とても貴重なものだ。
ほぼ時を同じくして、ラファンの22Kの頭部管がやはり中古で出てきた。
14Kや18Kはしばしば出てくるが22Kはレア。
ラファンと言っても、ラファンさん本人のものではなく、ブランネン社でライセンス製造しているラファンだ。
この頭部管をつけると、さらに発音が明確になり、すべての音域でクリアにバランスよく鳴る感じがする。
24Kを購入するために泣く泣く手放した楽器が期待通りの価格で売れたので、
思い切ってサンキョウ24Kとセットでラファンの22K頭部管もセットで入手。
サンキョウのオリジナル頭部管と、ラファン、方向性が全く違うので、吹き比べが楽しい。